用語 | 意味 | |
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あ | アルカリブラック処理 | 一般に黒染めと呼ばれている。 加温したアルカリ溶液の中に鉄部品を浸漬して表面に四三酸化鉄の層を生成させる方法。 銃などの黒光りしているものはこの処理をしたものである。 |
HSKシャンク | ドイツのマシニングセンターのシャンク規格。 DIN69893-1~6に規定されている。 テーパー面と端面で固定され高速回転に有利だが重切削には不向き。 | |
か | 外部接点方式 | 通電性のあるワークに使える測定器。 ポイントファインダー(防水型もOK)、NSツールセッター、センタリングゲージスウィングタイプはこれに当てはまる。 通電性のないワークを測定する場合は内部接点方式(ポイントファインダーi、ツールセッターi)の測定器。 |
金メッキ | 銅地金にニッケルメッキを施した後、金メッキをかける。 0.1μmの厚さを制御できる。 | |
繰り返し精度 | 測定器の測定部分が測定対象物に触れて位置が変わっても、対象物から離すと元の傾き位置に戻る『度合い』を表している。 例えばポイントファインダーなら、標準スタイラスがワークに触れて傾いても、 ワークから離すとまた元の位置に戻る度合いが±0.5μmなので、ほぼ元の位置に戻っているといえる(世界一) | |
クロームメッキ | 鉄のメッキで、ニッケルメッキをしたあとにクローム処理をしたもの。 淡い黄色を帯びた高級なメッキである。 | |
さ | サブゼロ処理 | 炭素量の多い合金に焼き入れをすると、マルテンサイト組織にオーステナイト組織が残ることがあり、経年変化で製品の寸法変化が生じてしまう。 これを避けるために、高炭素鋼を用いた製品、特に寸法の経年変化を嫌う精密部品では、 焼き入れ後ただちに液体窒素をかけて0度以下(-70度)に冷却するサブゼロ処理を実施して、残留オーステナイトをマルテンサイト化させる。 |
酸化アルミナセラミック |
アルミを酸化させて粉末にしたものを焼結して色々な形にして使う。
硬度が高く高温でも熱膨張が少ない材料です。化学式はAL2O3と書き、硬度がモース9で研削砥石にも使われる。
Cr(クローム)を1%添加すると赤いルビーになります。0.5%ではピンクに発色する。
酸化アルミニウムにクロームとバナジウムが添加されると緑色に発色します。これはエメラルドと呼ばれている。
どちらも工業的に作ることができるので宝石には使わない。 【ちょっとブレイク】 セラミックの中で2酸化ジルコニア(ZrO2)は焼結すると白色個体で歯科材料に使用されている。靭性がアルミナより高く工業的価値が高い。 ジルコニアにイットリウム、カルシウム、マグネシウム、ハフニウムなどを4~15%程度添加した安定化ジルコニアは 透明でダイアモンドと同じ屈折率をもっており宝石に使われている。価格は1カラット100円以下と安くて人気が高い。 真贋を試すには、油性ペンをつけると油をはじくのがジルコニアである。 硬度では8.5とダイヤモンドより柔らかく、宝石店がルーペで調べて真贋の判定をしているのは角が丸くなっていないかを調べているのである。 |
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シャンク | マシニングセンタの主軸に取り付ける部分。 ストレートシャンクの他にBTシャンク、HSKシャンク(共にテーパーがある、円錐状のもの)、 MTシャンク(モールステーパー)、STシャンク(小型マシニングセンター用)などがある。 | |
スクロールチャック | CNC旋盤などで主軸に取り付けワークを把握する装置。 | |
スタイラス | マシニングセンタ用三次元測定器(プローブ)の先端の接触部分で、細い棒状のもの。 測定子とも呼び、この部分を測定物に触れさせて測定を行う。 | |
セラミックベアリング | スチールベアリングは重切削に向くが、高速回転をすると焼き付いてしまうので10000回転以上では使えない。 素材を窒化ケイ素で作られ高速回転でも焼き付くことなく酸化アルミナより靭性が高く、衝撃で割れることが少ないため使用されている。 | |
測定圧 | 物を測定するときにかかる荷重。 外部接点方式(通電式)や内部接点方式または機械式があり、 通電式はワークや刃先が触れるだけで検出が可能であり高感度である。 内部接点方式はセンサー本体内部に検出機能が備わっており、通電しないものでも検出できる。 測定圧は0.3~1.0N位が多い。機械式は内部のダイヤルを押しこみながら回すため1.5~2.0Nの負荷がかかり小径の刃物がたわむおそれがある。 測定圧は低い方が品位が高い。 | |
た | チャタリング現象 | スタイラスがワークに触れたとき、電気抵抗により電圧・電流量が激しく変化し、 見かけ上はランプ(LED)がついたり消えたりする現象のこと。 |
な | 内部接点方式 | 測定物が木、プラスチック、セラミックなどの非金属(金属ではない)のものを測る際に使用できる測定器。 |
ニッケルメッキ | 鉄をそのまま空気中に放置すると酸化(Fe2O3)してしまう。 酸化を避けるために表面にニッケル被膜をコーティングして光沢を出す処理。 | |
は | BTシャンク | マシニングセンターで使うシャンクの総称。 ボトルグリップテーパーと呼び、JIS6339に記載されている。 日本の規格でシャンクのテーパー面で把握するため、高速回転すると主軸が遠心力で広がり、シャンクが奥に引き込まれ取れなくなる。 10000回転以下の機械に採用されている。重切削に威力を発揮する。 |
BBTシャンク | BTシャンクのテーパー端面を拘束するシャンク。 BTシャンクのように高速回転で食い込みはないが、高速回転では慣性がありすぎるため不向き。 | |
プローブ | マシニングセンタの主軸に取り付け、先端の測定子をワークに当ててワークの位置や寸法を測定する機器。 ポイントファインダー、センタリングゲージスウィングタイプ、センタリングゲージなどの総称。 | |
非磁性超硬合金 | 超硬合金は1923年にドイツの化学者シュロッター(シュレーター)が製法を開発した金属。 タングステンカーバイト(WC)にコバルト(Co)をバインダーとして焼結した合金で硬度9もあるが衝撃に脆い材料である。 このままでは磁石についてしまうが、CoをNiに代えて科学処理すると非磁性に変化する。 | |
非磁性超硬合金スタイラス | 磁石にくっつかず、磁力の影響を受けないもの。 製品の仕様表記に『超硬』や『SUS440(ステンレス)』と書いてあっても非磁性ではない。 | |
ま | ミーリングチャック | フライス盤やマシニングセンターで刃物を取り付けて切削するための器具。 シャンクにはBT(ボトルグリップテーパー)やHSK(DIN規格、ドイツ)が使われている。 |
無解電メッキ | カニゼンメッキとも呼ばれている。カニゼンは商品名であり正式には無解電ニッケルメッキである。 通常のニッケルメッキは電荷をかけてニッケルイオンとして鉄に付着させるが、電気の性質から角や端に集中する欠点があった。 無解電ニッケルメッキはニッケル含有液に浸す処理方法なのでメッキ斑がなく、 ニッケルメッキでは付かなかった裏側にも施すことが出来て1μmの厚さも制御できるメッキである。 | |
モールドベース | 金型を作るための既製品の材料。 あらかじめ六面加工してあり、XとY面の直角度と面荒さを綺麗に仕上げて基準面に使えるようにしたもの。 |